ARCHICAD(アーキキャド)でパースをつくる方法

2020年11月12日

今回はARCHICADでパースをつくる方法について解説します。

カメラで3Dビューを保存

ARCHICADでパースをつくるときは、3Dビューの画面に映っているものを基準にレンダリングが行われ、パースが作成されるので、3Dビューで思い通りに表示できるかが重要です。
カメラの位置を保存しておくと「ポップアップナビゲータ」から保存したカメラをクリックすることでその位置が自動的に表示されます。

画面右上から「ポップアップナビゲータ」をクリックし、「3D」の「レンダリング」を右クリックして、「現在の投影を保存」を選択することで表示されている3Dビューを保存できます。

保存されているカメラを右クリックして、「このカメラを現在の表示に修正」をクリックすることで、一度設定したカメラの位置を修正できます。

カメラの位置を保存すると「ポップアップナビゲータ」の「レンダリング」にカメラが追加されて、平面図上にもカメラのマークが表示されます。

画面左から矢印ツールを選んで、平面図上のカメラを選択すると画面上がカメラツールの設定に変わり、カメラツールのアイコンをクリックするとカメラの設定のウィンドウが表示されます。カメラを選択するとカメラを移動できます。

あおりを補正する

3Dビューのパースの表示は基本的に上の方へ行くほど小さくなっていく3点透視のような表示になっています。あおり補正することによって2点透視の表示になります。

あおり補正のアイコンをクリックするか
もしくは、パースの設定を開きます。
「表示」→「3D表示設定」→「3D投影の設定」をクリックします。

パースの設定のウィンドウが開くので「あおり補正(二点透視投影)を適用。」にチェックを入れます。設定が完了したらウィンドウの右下のOKをクリックします。
あおり補正は3Dビューを動かすと消えてしまうので、位置が決まってレンダリングの直前にあおり補正をするようにしましょう。

レンダリングしてパースを作成

レンダリングの設定を開くことでパースの調整できます。
「ドキュメント」→「レンダリング」→「レンダリング設定」をクリックします。

サイズ、解像度の設定

「レンダリングの設定」のウィンドウが表示されます。
ウィンドウの一番下のカメラマークでレンダリングが開始されます。

ウィンドウの上からレンダリングの仕上がりをプレビューで見ることができます。細かい仕上がりはレンダリングしてみて確認するのがいいですが、大体の建物の収まり具合などを確認するときはプレビューのほうが早いので便利です。
「プレビュー自動更新」にしておけば、3Dビューを移動させると自動的にプレビューが更新されます。
サイズのタブでは、パースのサイズと解像度も変更できます。解像度が高すぎるとパソコンによってはかなり時間がかかるのでうまく調整してください。

パースの仕上がりの設定

設定のタブではパースの仕上がりを設定できます。
一番上のシーンから各種設定をパッケージとして変更できます。
簡単に仕上げたい場合はここからイメージに近いものを選択して使用したり、イメージに近いものを選択したあと細かい部分さらに修正していくといいです。

シーンを「アウトドアHDRI標準」にした状態でレンダリングすると下のようになりました。
ここから設定を一つでも変えるとシーンが「カスタム」になります。
「レンダリング設定」の「品質」から「レンダリング品質」、「影品質」を変更できます。これらは一番最後の完成作のレンダリングが決まった段階で、上げるといいと思います。

「アウトドアHDRI標準」の設定から「光源」の「太陽光輝度」を200にしました。太陽光輝度を上げると太陽光が強くなるので明るくなります。今回は設置していませんでしたが、「ランプの輝度」を上げると設置したランプの明るさが強くなります。発光するマテリアルを使っている場合、「表面イルミネーションの輝度」を上げると発光する明るさが強くなります。

「エフェクト」で「ホワイトモデル効果を使用」にチェックを入れるとパースがモノクロになります。

「環境」から「天空の回転」で値を変更すると背景が移動します。雲の位置を少し変更したい場合などに使います。

詳細設定からカメラの露出を変更

詳細設定にチェックを入れるとさらに細かい設定も変更できるようになります。
これを全部説明するときりがないので省きますが、個人的に知っていると役立つと思う「カメラの設定」について解説します。

詳細設定は、詳細設定にチェックを入れることで切り替わります。
「物理レンダラーを使用」にチェックを入れて開きます。

「物理レンダラーを使用」の「物理カメラの設定」から「露出」にチェックを入れて
「カメラISO」の値を大きくすることでパース全体が明るくなります。
これで太陽光の値を変えずにパース全体を明るくすることができます。
室内で暗い場合などで全体的に明るくしたいときに便利です。

完成したパースは保存したいパースのタブを表示して、「右クリック」→「名前を付けて保存」で保存できます。

今回は、カメラの設置方法、ARCHICADを使ったパースのつくり方について解説しました。
設定をこだわりだしたらきりがないですが、時間のあるときに色々試して、お気に入りの設定はメモしておくといいと思います。

ARCHICADでパースまで完成させることもできますが
Unreal Engine、Fortniteなどで有名なEpic Gamesのリアルな表現が簡単につくれるTwinmotionを活用するとよりリアルなパースを作成できます。
Twinmotion Direct Linkを使えば、ARCHICADでつくったモデルも簡単に利用できます。
Twinmotionでのパースのつくり方という記事でTwinmotionでのRevitモデルを使ったパースのつくり方をまとめています。モデルを作成するときに使っているソフトが少し違うだけで、Twinmotionの操作にはあまり違いがないので、興味のある方はそちらも読んでみてください。

他にもARCHICAD、Illastratorに関する記事を書いています。
ARCHICAD、Illastratorに関する他の記事も見たい方は
ARCHICADのタグIllastratorのタグにまとまっているのでのぞいてみてください。

また、名建築「落水荘」を例にRevit、Lumion、Illustratorを使って
プレゼンボードを作成する流れをまとめた記事も作成していくつもりです。

見逃したくない!という方はぜひTwitterをフォローしてください。
新着記事のお知らせ、Revitの他にも最低限知っておきたいRhinocerosの操作の仕方など
役立つ情報を発信していきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ArchitectureARCHICAD

Posted by ぷもん